データは雄弁
このデータは日本社会の男女不平等とそれによる生産性の低さを示しています。
見にくい方は、内閣府のサイトに載っていますのでご覧ください。
上図の調査はOECD(経済協力開発機構)の2020年の発表をもとに内閣府男女共同参画局が作成しています。
15~64歳の男女がどのような生活をしているかを国際比較したものです。
赤い棒は有償労働、すなわち会社員として働く時間で、その上に無償労働である家事、育児などの時間が乗っています。
注目してほしいポイントは、2つあります。
まず、日本人の男性は最も有償労働が長く、無償労働が極端に短い。
「男は外で稼いで、女は家を守る」なんて口にしたら即セクハラになる現代においても、実状はご覧のありさまです。
そしてもう一点、男女の総労働時間が世界トップクラスに多い。
男女どちらも、日本人はとにかく働いています。
外仕事と家事とを分業した結果、働く時間が増えてしまってるのです。
役割を設けるのは効率的なようで生産性が悪い。
それを示すのは、一人当たりGDPです。
IMFが今年発表した2020年の最新値では日本は23位になっています。
24位にフランスがあるので先進国でもそんなものか、と安心してしまいそうになりますが、生活時間の差を比較すると目が覚めます。
男女の雇用バランスが悪い、労働時間が長い、生産性が低いのが私たちの課題です。
私が当選したあかつきには、この国の男女不平等を真に是正するため、経済界と連携して企業に直接働きかける政治を、、、と立候補したくなるほど分かりやすいデータでしたので、ついつい紹介してしまいました。
分業<協働
労働時間が比較的短い国々は、性差が小さい傾向があります。
女性が家事を一手に担うより、男女一緒に取り組んだ方が生活は楽になるとデータは言っているのです。
とはいえ、日本の男性会社員は長時間労働だから家事を手伝うのは難しいのでは?と反論の声が聞こえた気がしたので補足します。
少し古い論文ですが、就業時間と待機時間の国際比較(2010年)によると日本人男性の待機時間(=業務が終わっても上司が先に帰るのを待ったり、同僚と飲みに行く時刻までダラダラする不毛な時間)が51分/日もあります。
上への忖度と飲み会を減らせば、皿洗いと風呂掃除くらいの隙間が創出できるはずです。
「他国にはない不要な日本文化が成長を妨げている」
文献を漁っているうちに私はそう導かれました。
言い訳せずに、ドヤ顔せずに、家事ができる男性が増えれば、日本は変わります。