プレゼンテーションスキル

分かりやすいのは立場が明確だから

伝えるために準備をする

週末土曜日の夕方、偶然テレビ画面に映っていたニュース番組の特集に目を奪われました。

どの局でも扱われているであろう、世界で猛威をふるう感染症の被害についてです。

冒頭、呼吸器を付けた海外の女の子が咳き込んで憔悴していく場面から始まり、懸命の処置により奇跡的に助かった姿が映し出されます。

そこから日本の保育園の現場に写真が切り替わります。

わんぱくがソーシャルディスタンスに反抗して、群がって積み木を咥えます。

保育士さんは積み木やブロックを一つひとつ消毒して、対応への限界と政府の対応への不満を口にします。

次のシーンでは、パラリンピックの会場で観戦をする小学生が紹介され、最後に政府の会見が映されました。

 

スタジオではコメンテーターが待ち構えていて、子どもへの感染の悲痛さや現在の医療体制などを語ります。

わずか10分程度の特集でしたが、視聴者は子どもたちや保育士、医療従事者を不憫に思い、身内を不安がり、政策への疑問を持つはずです。

内容に対する意見は別として、聴衆の感想を操るこの伝え方は秀逸です。

テレビの前から離さないようにショッキングな映像で注目させて、国内の危機を現場から見せて、大局の対応の是非を問う。

論理的な展開です。

マスメディアの力を見せつけられました。

 

 

「しかし、一方で」はいらない

この特集の分かりやすさは徹底的に現政策への否定を強調したところにあります。

現在、内閣支持率は0%ではありませんから、当然ながら賛成派も存在します。

無観客とはいえパラリンピックが開催されて長年の努力が報われた選手や、子どもたちに競技を知ってもらえたマイナースポーツ団体は喜んでいるかもしれません。

ただ、主張を伝えたいならその情報は不要です。

医療崩壊を、教育現場の疲弊をひたすら伝える論理がプレゼンテーションとしては有効です。

オリンピックの要人が、スピーチで大会の素晴らしさや実現への喜びを語るのは彼がその主張を持っているからです。

 

メディアや政治に限りません。

私たちも普段のビジネスで意見を言う機会がたくさんあります。

A案を進めたいとき、B案の良さを不必要に引き合い出さず、A案の魅力のみで一点突破する提案力が必要です。

 

B案の説明を省略するようで少し不平等な気がしますか?

問題ありません。

テレビの視聴者もビジネスピープルも、その情報に対して「なぜなのか」と常に考えていますから、伝える側は立場を明確にしましょう。

そうすれば、番組もプレゼンテーションも分かりやすくなり、主張が伝わります。

忖度よりも意見を言える社会にしたい。

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