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実際にエステに行ってきました
かねてよりビジネスとプレゼンテーションの関係は興味があるので、時間があるときを見計って、エステの体験で営業を受けて、その特徴を記録していました。
なぜエステかといいますと、高額商品で価値が分かりにくく、閉ざされた空間で交渉がなされるからです。
1対1で全力で契約を取りにくるのは研究に適しています。
期間は空いていますが、都内の美容サロン5箇所に足を運びまして、共通して使用されるテクニックを発見しましたのでシェアします。
男性目線ではありますが、根底にある理論は同じでしょうから、知っておけば気づいて対策が打てます。
営業の仕事をしている方や、反対にセールスに断れずにうっかり契約してしまいそうな方は必見です。
(本当は自分の体験会に生かそうと始めた活動ですが、思いのほか万人に役立つ気づきがあったので公開することにしました)
体験料金の安さには意味がある
エステの体験料金は破格です。
本コース1回あたりの半額以下で内容はそのまま、あるいは少し時間を短くした形式で受けられます。
フェイシャルやボディのケアで3,000円程です。
有名サロンのエステがこれだけ安く受けられるなら興味半分でも気軽に申し込めますね。
サロン側からすると、タダではなく僅かな費用を取っているのがポイントです。
小額の販売を受け入れさせることで、後の本契約を受け入れやすくさせています。
いきなり100万円の契約をする人は少ないですが、一つずつステップアップしていくと成約率が大幅に上昇するのです。
【契約までのステップ】(サロン側視点)
①体験コースを購入してもらう。
②体の悩みを話してもらう。
③コースの説明を聞いてもらう。
④個人情報(経済状況)を聞き出す。
⑤一緒にプランをカスタマイズする。
⑥高額エステ商品を購入してもらう。
私が訪問した全てのサロンで同じ流れでしたので、もしかしたらマニュアル化されているのかもしれません。
このテクニックをフット・イン・ザ・ドア・テクニックといいます。
お客さんからの「はい」を積み上げて目標の受注を得る手法です。
最初の「はい」を最も重要視します。
訪問販売員が、「奥さん、まぁお話だけ聞いてくださいよ」とドアに足を挟みこむイメージです。
足をドアの中に入れて第一歩を踏み出してそこから積み上げます。
人間は一貫性を持ちたいと願う生き物ですので「はい」「はい」「はい」とくると「はい」の流れを期待します。
ここまで話した(聞いた)らなんだか断りづらいな、、、の心理を利用しています。
つま先、アゴ、ワキ、ときたらドリルなのですが、しないから笑いになります。
フット・イン・ザ・ドア・テクニックは頻繁に使われる手法ですから、使う側も使われる側も知っておきたいですね。
エステで使われるテクニックはこれだけではありません。
一生分、見た目を褒められます
ご想像つくかもしれませんが、男性向けのエステサロンのスタッフはほとんど女性しかいません。
それもカウンセリング担当に限ってはモデルのようなルックスで愛嬌を振りまく方だけです。
その女性と個室で二人、体の悩みを話して、施術の説明を聞きいていきます。
そして徐々に分かりやすく距離を詰めてきます。
と言いながら見つめながら私の拳の上に手を重ねてきます。
短時間で仲良くなるには多少強引でも接触が効果的と判断しているのでしょう。
また、私は見た目は良くも悪くもない平均点ですが、彼女らは無理矢理褒めてくれます。
書いていて悲しくなってきました。
きっとデレデレしてたから先方もベタに攻めてきたんでしょうね。
これは、対人魅力と報酬行動(餌で釣る)です。
あるわけないのに、もしかしたら痩せたら付き合えるかも、と思わせる錯覚で行動を起こさせようとします。
男性に限らず、女性の場合も同様です。
綺麗な女性が友人のように親しくしてきたり、男前なカウンセラーがおだててきたら同じ作戦です。
安易な回答はしない
体験が終わるといよいよ本格的に交渉です。
嘘か本当かわかりませんが、全てのサロンで施術の効果アリと言われました。
そう言われると嬉しいですよね。
そのままセールストークに入っていきます。
ここでも全てのサロンで共通の流れがありました。
まずは競合を排除します。
などと説明して、”エステを受ける”を選択した場合は自社となるように逃げ道をなくします。
それから、値段提示の前に質問をします。
この質問は頻度と費用を聞いています。
具体的に答えてしまうと、それに合わせた形でプランを組まれてしまうので、答えないのが無難です。
「時間がない」「お金がない」と回答しても「合わせますよ、最初は安いプランで」となってしまいます。(体験済)
かわしていると、最後は値下げをしてきます。
いただきます。
これがおそらく最後の切り札です。
このテクニックをドア・イン・ザ・フェイス・テクニックといいます。
ある要求が断られた後に小さな要求が受け入れられる傾向があるのを利用します。
相手が譲歩していると思ってしまうので自分も譲歩して受け入れようとしてしまいます。
ダメ押しで
くなる。見てみたいです、私
などと言ってきますが、どうやらこれ以降は手がないようです。
屈しないと諦めてくれます。
スマートな断り方
最後に、体験には行きたいけど勧誘が怖い方におすすめの断り方をお伝えします。
ある程度興味があるのは伝えて、「持ち帰ってまた連絡します」と言うのが一番です。
真剣に検討しているアピールとして、「見積もりもらっていいですか?」とか「この一覧表、写真に撮っていいですか?」と聞けば見込み客として扱われ、無理に攻めてきません。
他のサロンも見てみたいと素直に言っても悪くないです。
即入会の特典は勧められると思いますが安くても数十万円ですから即決はリスクがあるでしょう。
一回冷静に検討するのをお勧めします。
投資に見合う効果が出て人生が好転する人がいる一方で、勢いで契約してしまい後悔している人もいるだろうと予想されるほどの高等技術です。
理解しておけばいずれ実生活であなたの役に立つと期待しています。