変換できるけど書けない漢字ランキング
もしそんな番付があれば、1位は間違いなく「語彙」です。
誰よりも言葉にうるさい私も、手元の紙に急いでメモしなければならない場面では「語い」と殴り書きしてしまうほどです。
「果」の上に不思議な冠が載っているこの字、あなたは何も見ずに書けるでしょうか?
シャーペンもボールペンも出番が減っている現代ですから書けなくて当然ですし、部首が彑(けいがしら)だなんて覚えなくて大丈夫です。
彙の意味は「集まる」や「集める」です。
「語彙」で「言葉の集まり」となるので、頭の中にたくさん単語が存在するイメージですね。
”語彙力がある人”はその単語を自由自在に操れるのでそのように評価されます。
辞書並みの知識を持っていても口から出なければ頭空っぽと同じですからね。
その単語、いつ使う?
私がかつて高校生だった頃、当時読みやすかった伊坂幸太郎の小説を読んで語彙力を強化しようとしました。
本を開くと知らない言葉が結構あるんです。
彼の小説には訝る(いぶかる)という動詞が頻出しますが、初見では意味が分かりませんでした。
当時、辞書で調べた記憶があります。
「不思議に思いながら怪しむ感情」を指すそうです。
ただ、日常生活でもビジネスでも「訝る」はほとんど活躍しません。
使ったところでマウントを取ろうとする気取った奴だと認定されるだけなので、通常は疑うや怪しむといった万人が知る言葉に言い換えます。
新しい言葉を仕入れるのも重要ですが、それだけでは大きな変化は得にくいです。
既に脳内にある単語を繋ぎ合わせる技術を鍛えてこそ、語彙力が向上します。
「訝る」を「疑う」とも「怪しむ」とも言わずに「眉を眼鏡のフレームよりもひそめる」とか「腕を組んで距離をとる」とか「彼との付き合い方を考える必要性を感じた」など間接的に表現すると、描写と共に内に秘める感情の度合いを伝えられます。
今そこにある気持ち、物、行動を様々な角度から言えると言葉に詰まる回数が減ります。
使える語彙力を鍛えていきましょう!