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中年男性会社員の危機
一般財団法人 労務行政研究所が、全国の上場企業を中心に実施した調査によると
各社が制度上想定する課長昇進年齢の標準は39.4歳とされています。
この調査は2009年に行われたものですが、大体40歳前後になると管理職になっていくイメージに違和感は持たれないと思います。
ところが最近大きな変化が起きています。
40歳を過ぎても課長に昇進できない男性が増えているのです。
成果主義はまだほとんどの企業で導入できていません。
まだまだ年功序列型です。
ではなぜ流れが変わっているのか。
30代の若い女性管理職が増えているからです。
表立って指標にしている会社とそうでない会社がありますが、企業には女性管理職比率の目標があります。
政府が掲げる「2030年までのできる限り早い時期に30%を達成する」に準ずる数字でしょうが、これは多くの企業にとって高いハードルです。
悲しいかな、まだまだ男性ばかりの会社が多いのです。
管理職登用試験を前に女性を〇〇人は管理職にしないと、目標を達成できないからと事前に選定への縛りが入る企業もあるようです。
結果、何が起きるのか
まずは目ぼしい40代以上の女性社員が昇格します。
管理職になる実力があったのに、男性社会だったがゆえに今の役職に甘んじていた方々が一斉に上がる流れです。
それでもまだ女性管理職は少ない。
そうなると、30代の女性社員も管理職の候補になります。
今まで中年男性が中心に争っていた椅子に色んな人が群がるようになったのです。
具体的に、管理職候補には
・40代以上女性
・30代女性
・40代以上男性
・30代男性
の4つの属性があります。
そして、この中から優先されるのは、
①女性
②スキルがある男性
③年齢の高い男性
の順になります。
さて、この中で困る人はどんな人でしょうか?
おじさんと女性は環境が急変
一番困るのは40代以上で際立ったスキルがない男性です。
今までは順番待ちで管理職になれていましたが、デキる若手男子だけでなく女性陣が先に昇進しますから、なかなか順番が回ってきません。
40歳で課長になれると思いきや、 何歳になっても椅子が空くかどうかわからなくなりました。
次点は30代女性です。
上の世代からは妬まれ、確固たる実力で納得させなければ会社に居づらくなるでしょう。
(日本人の陰湿さは凄まじいです)
女性活躍推進は、女性にとってありがたいかを考えると、必ずしもそうではありません。
これまで”男性だから””年上だから”と与えてきたポジションを解放するのが本来の主旨です。
”女性だから”と登用しては文化が反対側に行ったにすぎません。
今、各社の人事部で悲劇が生み出されています。
当事者はきっとわかるはずです。
このままではマズイと危機感を抱いているはずです。
ただ、気づいて行動すれば未来は変わります。
際立ったスキル、確固たる実力をつけていきましょう。