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対応力の美学
カスタマーサポートやコールセンターなど、顧客の意見に直接触れる方々の対応力は参考になります。
お客さんの怒りをしずめ、不安を解消して関係性を整える駆け引きは高等テクニックです。
あなたも、問い合わせをして感動した経験はありませんか?
今回は顧客対応力のポイントを佐藤目線で考察していきます。
怒る客は何を求めるか
ラーメンに親指や虫が入っていたり、出前の途中でスープが半分こぼれていたりしても笑って許せる私ですが、先日定食屋で5ミリ四方の金属の板が出てきたときには店員さんを呼びました。
「料理の中から金属の板が出てきました。危ないので気をつけた方がいいですよ」と言ったところ、すぐに店長が出てきました。
丁寧なお詫びの言葉と、替えの料理を持ってくる上に代金は要らない旨を説明してくれるのですが、仰々しいので他のお客さんの視線が気になるんですよね、、、
恥ずかしくなったので、替えの料理は断ってすぐにお店を出ていきました。
ある程度チェーン展開しているお店なら接客対応マニュアルがあるので、帽子を取って数秒頭を下げるとか、料金をタダにするとかのテンプレ対応は用意されているのかもしれません。
ただ、私が求めていたのは、言葉の通りで「危ないので気をつけてほしい」だけだったんですよね。
その金属が何かを調べて、拡大性がないかを確認しないと他にも誰か怪我するかもしれませんので、ただ危険性を伝えたかった。
もっと上手く指摘してあげればよかったです、、、
美しいオウム返し
店員側も一様にマニュアルに沿うのではなく、目の前の指摘に対して確認をしながら話を進めればすれ違いは防げました。
「料理の中から金属の板が出てきました。危ないので気をつけた方がいいですよ」に対して、
「こちらのA定食の煮物の中から、金属の板が出てきたのですね」と冷静な対話の始め方をしていただきたかった。
いわゆるオウム返しです。
ただ、単純な繰り返しではなく、相手の話を理解しているのを示すために表現を変えて返す必要があります。
そのまま同じセリフを繰り返すと、適当に反応しているように見えますからね。
「お客様は、他の料理への拡がりの心配をしてくれているのですね」
と訊いてくれたら気持ち良く帰れました。
このオウム返しの手法は、おそらく顧客対応に力を入れている企業ほど意識して使っています。
大手保険会社や食品メーカーなどの相談窓口に電話すると一流のオウムに出会えますので、何かの折に電話をする際は意識してみてください。
チャットボットに徐々に代わりつつある業務ですが、まだまだ人間による優位性があります。
ロボットに負けないためにも、私たちはコミュニケーションを磨きたいですね!